会長ご挨拶
第32回日本呼吸器外科医会冬季学術集会
会長 塩野 知志
山形大学医学部 外科学第二講座 病院教授
この度、2025年3月7日(金)、8日(土)に日本の宿 古窯 (山形県 上山市)におきまして、第32回日本呼吸器外科医会冬季学術集会を開催させて頂くこととなりました。
本学術集会は日本呼吸器外科学会会員が互いの技術と知識を紹介しながら呼吸器外科学の発展に寄与する目的で、 1992年に第1回が開催され、今回まで32回継続開催されている歴史ある学術集会です。今回私ども山形大学が本学術集会をお世話させていだだくことになり、身に余る栄誉と存じております。
さて、今回の本学術集会の主題は「多様性との邂逅」といたしました。「多様性」については様々な場面で注目され、働き方を含め、各分野で多くの議論がなされております。現在呼吸器外科診療ではロボット手術を含めた創部を縮小するアプローチの追究、小型肺癌に対する区域切除を代表とする切除範囲に関する議論、さらには術後治療においては患者さんのバイオマーカーに対応した術後補助化学療法というように、個々の多様性に応じた診療がなされる時代になってきました。よって自らも「多様性」を有する呼吸器外科医は多くの「多様性」と出逢いつつも、それを十分に理解し、最も患者さんにとって最も有益で不利益の少ない診療を行うことが求められています。
思いもよらぬコロナ禍で我々は、苦痛と我慢を強いられてきましたが、その一方で知恵を絞り、web会議も一般化しました。しかし、多くの現地開催学術集会が盛況であり、人との出会いを皆が求めていることは疑う余地はありません。本学術集会の特徴は人と人との距離が近いところにあります。ベテランも研修医も、そしてコメディカルの皆さんも加わり、互いの理解を深めるとともに、医学を進歩させるアイディアを見出していける学会になればと考えております。
山形県は蔵王をはじめとした自然と食と温泉に恵まれた大変豊かな土地です。学会でのディスカッションの息抜きに蔵王の樹氷、温泉、山形の食を楽しんで頂ければ幸いです。医局員一同、先生方のお越しをお待ちしております。