会長挨拶
第11回日本心筋症研究会
会長 渡辺 昌文
山形大学医学部 内科学第一講座
このたび2025年(令和7年)5月10日(土)、山形県天童市にて、第11回日本心筋症研究会を開催させていただきます。
日本心筋症研究会は、日本心不全学会の分科会として2015年に発足し、心筋症の発症機序や診断・治療に関する基礎研究・臨床研究を発表する場として発展してまいりました。当初、心筋症は主に心臓の形態や収縮機能で定義・分類されていましたが、1990年代に遺伝子異常が直接的な原因となることが報告され、遺伝子診断・画像診断などの診断技術が発展してきました。この10年余りで、いくつかの心筋症の本態に関する知見が明らかになってきています。治療面でも、心不全や突然死をターゲットとした、薬物治療・デバイス治療・外科治療・核酸医薬などに、大きな進歩をとげてきました。新たな治療法が標準化されれば、日常診療でも確実な診断が求められるようにもなります。2018年に脳卒中・循環器病対策基本法が成立し、心筋症診療の医療面でも、新しい展開を見せています。
このような発展を続ける心筋症疾患について、多くの方々が一堂に会して、様々な視点から議論する本研究会は、たいへん重要であると考えています。
一方、心筋症診療には、まだわからないこと、新しく出てくる問題、議論するべき課題などが多くあります。本研究会では、広く心筋症や心不全に関する話題について議論できるよう準備を進めてまいります。開催地の天童市は、山形新幹線が停車し、山形空港にも近く、緑に囲まれた、いで湯のまち、将棋の町です。多くの皆様に、ご参加いただきたく、お願い申し上げます。