大会長ご挨拶
一般社団法人日本顎顔面補綴学会 第42回総会・学術大会
会長 小山 重人
東北大学病院顎顔面口腔再建治療部
この度、第42回日本顎顔面補綴学会総会・学術大会を「顎顔面補綴の新機軸」をメインテーマとして、2025年6月20日(金)・21日(土)に宮城県仙台市の東北大学医学部開設百周年記念ホール(星陵オーディトリアム)において、開催する運びとなりました。31回大会を高橋哲先生が、36回大会は佐々木啓一先生が大会長として開催されましたので、ほぼ5,6年毎の仙台での開催となっています。本学会の学術大会では、歯科医師だけではなく、耳鼻咽喉・頭頸部外科、形成外科の医師、言語聴覚士、歯科技工士、歯科衛生士など、様々な職種の参加者による活発な意見交換が行われます。昨今、医科歯科連携や多職種連携が今後の歯科医療の重要なテーマになっている中、東北大学では2005年10月、全国に先駆けそれまでの医学部附属病院と歯学部附属病院を組織的に統合し、新たな部局として東北大学病院を創設しました。それ以来、医科歯科連携を推進する装置として、「顎顔面補綴」が医科と歯科を具体的に綴る役割を担ってきました。医科、歯科スタッフが術前から合同カンファレンスに参加しながら情報共有を行い、頭頸部腫瘍の治療方針を決定する頭頸部キャンサーボードや、嚥下治療センター、さらには唇顎口蓋裂センターなど、疾患を中心とした専門診療チームが構成されており、密接な連携関係が構築されています。6年前のテーマは周術期からリハビリテーションを含めた顎顔面補綴におけるリエゾン医療に焦点を当てた「リエゾン顎顔面リハビリテーション」でしたが、今回はさらに進化したリエゾン医科歯科連携と、それを基盤にした顎顔面補綴の新しい方向性を討論し、「顎顔面補綴の新機軸」を示すことができればと期待しております。
今回の学術大会のプログラムは、東北大学病院香取幸夫副病院長(耳鼻咽喉科・頭頸部外科)による特別講演、「医科歯科連携へのAI応用」や「嚥下治療センターにおける多職種連携 」をテーマとしたシンポジウム、「顎補綴治療のストラテジー」を示す教育研修会、さらには第2回PAPハンズオンセミナーも企画しております。内容も狭義の顎顔面補綴にとどまらず、顎骨再建と広範囲顎骨支持型装置・補綴、摂食嚥下治療など学際的内容となっております。
第42回大会が、1976年に研究会として発足以来48年の長い歴史を有し、我国の歯科医学の基幹を為す本学会のさらなる発展に寄与し、活発で有意義な情報交換の機会となりますよう願っております。
第41回大会からの間隔が短い開催とはなりますが、懇親の場としての役員、会員情報交換会も用意しておりますので、多数の会員の皆様のご参加を心からお待ちしております。