ご挨拶

第23回日本臨床医療福祉学会
会長 清水 宏明
[秋田大学 大学院医学系研究科 脳神経外科講座 教授]


 この度、第23回日本臨床医療福祉学会を2025年9月26日(金)‐27日(土)にあきた芸術劇場ミルハスおよびANAクラウンプラザホテル秋田にて開催いたします。
日本臨床医療福祉学会を秋田で開催するのは、2016年、坂本哲也先生(秋田緑ヶ丘病院)が主催された第14回大会以来となります。

秋田県はご存じの通り、高齢化率日本一、人口減少も著しい県であり、医療や介護、福祉に携わる人材も十分とはいえません。このことは、本学会がめざすチーム医療や、医療と福祉の融合したネットワークを最も必要としている県でもあることを意味します。
一方、がん領域の地域連携体制はすでに相当の歴史がありますし、脳卒中・循環器病対策基本法に基づく同対策推進計画が各都道府県で進められる中、急性期医療のみならず、リハビリテーションや介護・福祉を含めた地域連携体制が構築されつつあります。そこでは、患者・家族への情報提供、相談窓口、就労支援などの整備に重点がおかれています。
また、認知症基本法も2023年に施行され、国・都道府県・市町村の各レベルでの認知症施策推進計画のもと、多職種連携が進められています。

こうした背景のもと、今回の学会のテーマを「地域に根差す医療福祉連携のコンセプトと実践」としました。人口や高齢化、さらにはマンパワー等の地域状況によって、医療福祉連携の姿は大きく変わる可能性がありますが、それゆえにこそ、地域の現場から発信いただくコンセプトと実践の現状を共有することは、他の地域においても参考になるものと思います。ぜひ、さまざまな立場から医療福祉連携推進のヒントをご提示いただけましたら幸いです。
最後になりましたが、このような歴史ある学会を開催させていただき、秋田大学脳神経外科一同、大変光栄に存じております。主会場であるミルハスは、2022年オープンの瀟洒な会場です。学会の傍ら、初秋の秋田の自然や味覚もお楽しみいただけるものと思います。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。