会長挨拶
第39回日本脳神経外傷学会を平成28年2月26日(金)、27日(土)の2日間、仙台国際センターで開催させて頂きます。
今学会のメインテーマを「脳神経外傷 管理と治療の標準化 Standards and Arts」と致しました。脳神経外傷は脳神経外科医が主役となってその治療を行う事は当然ですが、高い診療レベルを維持するためには病院前、ER、手術室、集中治療室、リハビリ室など様々な局面で、脳神経外科医のみならず救急救命士、看護師、当直外科系医師、救急医、研修医、放射線技師、臨床検査技師、麻酔科医、集中治療医、臨床工学士、薬剤師、理学療法士等々多職種のプロフェッショナルによる恊働が時代の要請となっています。職種や経験の異なるメンバーによる恊働作業を円滑に進める潤滑油となるのが「治療と管理の標準化」であり、JPTEC/JATECの普及や本学会監修の「重症頭部外傷治療・管理のガイドライン」が「Standards」であると考えます。一方、重症脳神経外傷に関して高いエビデンスレベルの治療法の出現は最近殆ど現れておらず、各施設が様々なアイディアのもとに新たなエビデンスを創出するため懸命な努力を重ねており、これを「Arts」と捉え、今回のテーマを設定致しました。
シンポジウムとしては、「脳神経外傷初期診療の標準化 JATEC/JPTEC再考」、「Abusive Head Trauma」、「脳神経外傷のBasic Research」、「高齢者の基礎疾患と神経外傷」、「重症頭部外傷の管理」、「脳神経外傷とBiomedical Informatics」などを取りあげる予定です。さらに日本外傷学会とのジョイントセッションも企画しております。教育講演はHarborview Medical Center, University of WashingtonのRandall M. Chesnut教授に、招待講演は韓国神経外傷学会会長のInha大学Dong-Keun Hyun教授にお願いを致しました。また若手脳神経外科医を対象とした教育セミナーも2月27日(土)午後に開催を予定しております。
学会開催時には仙台駅から学会会場の仙台国際センターを結ぶ地下鉄東西線が開通している予定で、会場へのアクセス利便性は飛躍的に向上致します。
脳神経外科のみならず、救急科、整形外科、リハビリテーション科、基礎研究、コメディカル、救急救命士など多数のご参加と演題のご応募をお待ち申し上げております。
平成27年10月6日
第39回日本脳神経外傷学会
会長 亀山 元信
仙台市立病院院長