第16回日本早産学会学術集会

ご挨拶

会長

第16回日本早産学会学術集会 会長
米田 哲
富山大学学術研究部医学系産科婦人科学教室 准教授




 第16回日本早産学会学術集会会長を務めさせていただくことになりました富山大学の米田 哲(よねだ さとし)と申します。会期は2023年12月9日(土曜)、会場は富山駅北口より徒歩で8~10分、世界一美しいとされる(晴れていれば立山連峰がバックに映えます!)スターバックスが近くにある富山県民共生センター「サンフォルテ」にて開催します。今回のテーマは、「Tocolysis再考, the 2nd.」としております。
本学会は、私の恩師である故岡井 崇教授(昭和大学)により設立された東京早産予防研究会が発展した会であり、明確な解決策のない臨床的な問題を取り上げ、会員のアイディア、努力、協力のもと、それを解決し早産を予防すること、あるいは新生児予後を改善することを目的としております。先駆けとなった臨床研究には、大槻克文教授(昭和大学江東豊洲病院)が中心となって行われたランダム化比較試験があり(産科学では本邦で初のRCTになります)、頸管炎の伴わない頸管長短縮例に対し、Shirodkar頸管縫縮術が切迫早産発症を阻止できる可能性について論じられています(Otsuki K, et al. J Obstet Gynaecol Res. 2016)。
このように、産科学の究極の目的として、「早産を予防すること」が挙げられますが、実際のところ、その予防法や治療法に明確なものはなく、早産リスクのある妊婦を目の前にして、我々のやるべき産科学的介入は実に限られていると言わざるを得ません。その一つとして、にわか信じがたいというご意見もある本邦独自に行われてきた「長期Tocolysis」があるわけなのですが、、、
とは言え、「長期新生児予後」という観点がより重要です。妊娠30~32週未満の早産児の予後は、何かしらのハンディキャップを背負うリスクが高いことが知られており、そのリスクは、妊娠期間1週間の延長ごとに、わずかずつではあるものの改善していくとまとめられた本邦からの報告があります。これらを参考にすると、可能な限り妊娠を維持することを目的とすることは、間違いのない方向性であると言えます。
ということで、世界的にもエビデンスが確立した短期tocolysisと本邦独自の長期tocolysisについて、前回、青森で取り上げられ議論されましたが、当然のことながら結論には至らず、今回は、さらにじっくり語り合ってみようではありませんか!!ということで、シンポジウムを企画しました。が、しかし、最大の問題は、演者を見つけることだったりもします、、、
また、早産に関するあらゆる演題を募集いたしますので、奮って演題登録いただけますと大変助かります。
いろいろあって12月の開催になったことは、富山の冬の幸を満喫していただけ!という思し召しでしょうか? 懇親会(本音は会費制にしたいところですが、寄付金集め、頑張ります。)では、「氷見ぶりの解体ショー」にて、皆様にはお愉しみいただきつつ、親睦を深めて頂けますと幸いです。是非とも富山までお越しください!心からお待ちしております!!