第21回日本臨床医療福祉学会

学会長挨拶

会長

第21回日本臨床医療福祉学会
会長 藤井 正純
福島県立医科大学医学部脳神経外科学講座 主任教授


この度、第21回日本臨床医療福祉学会を2023年10月13日(金)-14日(土)にコラッセ福島(福島市)にて開催させていただきます。
本学会のテーマを「生き生きとしたネットわークを創る」といたしました。
患者さんに良質の医療と福祉を提供し、輝かしい未来を創造するためには、さまざまな『ネットワーク』が生き生きと機能することが重要です。足元から見ていきますと、院内の現場で、診療科を超え、職種の垣根を超えた多職種連携から、それぞれの地域で、病院を超えた地域の医療・福祉施設の連携、さらには、日本全国・世界の医療人との情報交換まで、人と人の距離を超えたネットワークがあります。視点を換えて、医療業界だけでなく、大学や研究機関・産業・政府や地方公共団体など業界を超えたつながり、さらには、個々が知識と経験で磨き、柔軟な考え方ができるようになる、すなわち、個人の脳内のネットワークを活性化するという視点もあります。こうした、さまざまなネットワークが生き生きと機能することが、次の世代の医療と福祉が輝き、患者さんのQOLの向上につながると考えています。本学会が、さまざまな立場の方々の情報交換の場となり、人と人のつながりの場となり、ネットワークの活性化に役立つとすれば、これ以上の喜びはありません。
さて、本学会のテーマを見てお気づきになりましたでしょうか。実は「ネットわーク」と、平仮名の「わ」を用いることにいたしました。「わ」に込められた思い、それは漢字にするといろいろな意味が見えてきます。ネットワークを表す人の「輪」や、皆が協力し合う「和」もあります。学会の相互の情報交換としての「話」、さらには、個人の脳内ネットワーク、すなわち我思うゆえに「我」あり、など、さまざまなネットワークの活性化への思いが、この「わ」に込められています。はたまた、本学会で「ワッ!」と驚き、目の覚める体験や気づきに出会えたら、と思っています。
オープニングセミナーでは、今後必ず増えるであろう認知症に対して、地域社会の人とのつながりで備えるという、重要な視点「認知症に備える」をテーマに、いずみの杜診療所の山崎英樹先生にご講演いただきます。また、文化講演では、東京電力HDフェロー、長岡技術科学大学安全安心社会研究センター・客員教授である吉澤厚文先生に、福島の原発事故の体験に基づく「人が創る安全」「組織レジリエンス」をテーマにご講演をお願いしております。その他、多職種間のネットワークを強化することを目的に、お互いの知識を共有できるよう、企画を考えています。10月、秋の実りの福島で、医療福祉に関わるさまざまな分野の皆様をお迎えし、実り多き会にすべく準備をすすめております。皆様のご参加を医局員一同お待ち申し上げます。