第23回日本神経消化器病学会

会長挨拶

会長

第23回日本神経消化器病学会
会長 柴田 近
東北医科薬科大学 外科学第一(消化器外科) 教授




この度、来たる2021年10月7日(木)~8日(金)の2日間で第23回日本神経消化器病学会をTKPガーデンシティPREMIUM仙台西口(宮城県仙台市)におきまして開催させていただく運びとなりました。機能性消化管疾患、消化管運動・神経系に関わる臨床医や研究者にとって重要な本会を主催させて頂き、誠に光栄に存じております。
日本神経消化器病学会は、当時の日本Neurogastroenterology(神経消化器病)学会と日本国際消化管運動研究会が統合されて2009年に発足しました。2017年には機能性ディスペプシア(FD)研究会、心身医学研究会、IBS研究会を吸収合併し、発展を遂げてきました。
今回の第23回学会では、「Neo-Nervismの行方」をテーマとしました。Nervismは、ロシアの生理学者Pavlovを頂点とした神経系の役割を強調する立場・考え方のことであり、20世紀初頭に隆盛を極めました。その後の様々な消化管ホルモンの発見・作用の解明に伴い、消化管ホルモンの重要性が強調された時代がありました。しかし、21世紀に差し掛かる頃に再び神経系の重要性が消化管領域でも再認識されるようになり、それまで雑誌や学会で使用されていた”gastrointestinal motility”と言う言葉は”neurogastroenterology and motility”に置き換えられました。このような流れをNeo-Nervism時代の到来と表現されたのは、私の恩師で消化管運動研究の大家だった群馬大学名誉教授の伊藤漸先生だったと記憶しております。21世紀になって20年が過ぎ、今回の学会がNeo-Nervismの今後の行く末を占うような学会となることを願ってこのテーマとしました。
2020年に始まった新型コロナウイルス感染が世界でも日本でも拡大しておりますが、本学会も開催に際しまして万全な安全対策やオンラインの活用など十分な対応を行う予定です。多くの皆様にご参加頂き、有意義な学会となることを祈念しておりますので、ご支援賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。